東亞子は元々もいわゆる「面くい」であった。そして、恋多き女と言われていた。ラッキーが襲撃されて金の工面をするために金貸しの息子徒党亜子を結婚させて、金貸しの息子から金を貪ろうとした。
この金貸しとラッキーの第一妻は知り合いであったし、ラッキーももちろん知っていた。
しかしその頃、、面食いのと雨亜子は本名【吾郎】の二枚目俳優に夢中だった。東亞子がさらわれてから、秋田、群馬などにつれていかれた過程で、東亞子に好意を寄せるものが多々いた。彼らは占いをしていた東亞子の周りに蠢いていた。
二枚目俳優には、嫌がらせをして利していた。
そんなところに金貸しの息子をと言うのであった。
東亞子は拒絶した。
ラッキーはなんとしても、金貸しの息子から金をせしめねばならなかった。
金貸しの息子をその気にさせておいて、東亞子には「今まで通りで良いから・・・」と言っておいた。
つまり、戸籍上だけでの結婚であった。
結婚って、籍を入れることが結婚なのか?、一緒に生活することが結婚なのか?
実態が亡い結婚だと気づいた金貸しの息子は、突然、東亞子に事務所にやってきて、ラッキーの第一妻を階段から突き落とした。
後に、この金貸しの息子はさる雑誌に第一妻の金の汚さについて、
・・・・あの女は『百万円が百万円の女だから・・・』と書いている。
その金は、ラッキーが自分を襲撃した親分に届けた。
その時の様子を私は東亞子亡き後、聞いた。
「ここの上がり框で、平伏して顔を上げないんだよ。入ってきて、帰るまで、ずーっとだよ」
「何しに来たんですか?」
「金を持ってきた」
「どのくらいですか」
「いくらだか、忘れた」・・・・・と、
こうして、若い人たち愚弄した。後に金貸しはつぶれた。
そして、二枚目俳優は自殺との報道があるが・・・
東亞子は『吾郎さん、吾郎さん・・・私の人生なかった。私の青春なかった』と、